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2015.08.28

重要文化財「銀箔押一の谷形兜」(黒田家伝来、福岡市博物館所蔵)に関する重要なお知らせ

黒田長政が関ヶ原合戦でかぶった 重要文化財「銀箔押一の谷形」は、
かつて金色に輝いていた!
 

「銀箔押一の谷形兜」は、全体に銀箔が押されていますが、かつては金色に輝いていたことが、本年2月16~18日に実施した修復作業にともなう詳細調査で判明しました。表面の銀箔が擦れて下地が露出した箇所で、金色を呈する部分を確認しました。
2月の調査では目視による表面観察であったため、金色の素材を確定するに至りませんでした。そこで、9月14日(月)(予定)、館内において非破壊検査による元素分析を実施し、素材の確定を試みます。
 兜の背面に立てられた衝立のような装飾は、源平合戦の古戦場で、源義経の鵯越の逆落としで有名な一の谷(現・兵庫県神戸市)の急峻な崖を表現したものです。一見、鉄板に見えますが、檜の薄板を曲げて表面に銀箔が押されたものです。
 この兜は、もとは福島正則の所用でしたが、長政が正則と仲たがいをした後、長政の桃形大水牛脇立兜と交換して、仲直りの証しとしたと伝えられるものです。交換に際し、互いに写しを作って贈ったと伝えられますが、銀箔の下に別の使用痕が確認されたことから、新調された兜が贈られたのではなく、正則段階ですでに使い込まれたものが贈られたことになります。しかも、銀箔が押される以前は金色に輝いていたのです。


「銀箔押一の谷形兜」は、10月4日(日)まで福岡市博物館に展示中です!
一度ご覧になった方も、まだご覧になっていたない方も、ぜひ
金色
だった「銀箔押一の谷形兜」を見にいらしてください。